第八船渠 資料室

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雑記「重なる背中」

二巻目、冬コミフクスズ本「重なる背中」。

 

前回のがわりとタイトルしっくりハマるものだったので、今回かなり迷ってました。

他の案だと二人の対比に着目して「鏡像」とか。・・・タイトルむずかしい。

 

表紙、駅の掲示板や改札ゲートを競馬場に見立てて、色々とネタを詰め込んでみましたが、かなり好評で嬉しい。

逆に今後の表紙のハードルがめっちゃ上がってどうしたものか。

 

今回は入学当初、まだ人付き合い苦手で友達いないスズカさんと出会うフクキタルを描くのがテーマでした。

あと実馬ネタとして改札ゲートを潜らせて、アニメでのスペちゃんと同じ道を辿らせたかった。ちなみに引っ掛かった理由は通過速度が早過ぎたから。ETCみたい。

 

フクキタルがスペちゃんにこの話して、ふくれたスズカさんは仕返しにおマチさんに夏服冬服間違えた話をしたりするんだろうな。弱みを握り合っている。

実際に府中行ったことは無くって、資料はかなりストリートビューに助けられました。駅の中見れるのはほんと助かった。

コミケ前日に府中行って現地見てきたのだけど、ロケ地巡礼気分で楽しかったです。見たことある景色ばかりで。

しかし府中駅周辺、都内より宿は安いしお店揃っててほんと充実している。今後もここをコミケ時の拠点にしようかな。コミケ直前には100均やホームセンターが近くにあるのはありがたい。

京急府中駅のホーム。スズカさんが競馬場見てたのはこの辺から。

実際はビルで見えないけど。

 

今回力入れた駅の背景。描くの楽しい。めっちゃ時間掛かったお陰で後半パートが白くなったけど。

フクキタルの目線はこんなの。右手を見るとスズカさんがゲートに捕まってる。

北口。ゲームで見慣れた建物ですね。

階段を降りて振り返り、トレセン行きのバス停。

走り去るスズカさんのシーン。

このままけやき並木を走ってトレセン学園へ。

設定的には東芝府中と刑務所の位置がトレセン説で行ってます。

ウマ娘世界だと駅とトレセン間あたりはこの辺りに専用レーン通ってるんじゃないでしょうかきっと。

 

スズカさんも突っ込んでますが前半部分、4月なのになぜかフクキタルは夏服を着ています。これは前回ラストで間違えて夏服で描いちゃったから事から。

設定的にはまあ、先にトレセンへ荷物送った時に冬服も詰めちゃった、と言う事にした。アイディアくれた飛び石さんに感謝。

すげえ荷物量のフクキタルと違い、スズカさんは逆に全然荷物が無くリュックひとつ。

すぐ走れるよう必要最小限の物しか持たない主義なので、リュックも登山やスポーツ用の走りやすい物をチョイス。

思い出を切り捨てられずパンク状態のフクと、走り以外を色々と切り捨ててきたスズカとの対比もちょっと暗示していたり。

 

スズカさんの物の買い方、靴とかタオルとか消耗品類は使用感気に入った物を複数買いいく感じらしいのですが、フクキタルも開運アイテムを保存用使う用布教用でオタク買いして多々買いする。

こだわる点は全然違うのに、結果的にはやってること一緒なのすごい面白いですよね。

変な所で共通点あるのがこの二人らしいというか。

 

後半、トレセン学園パート。

 

タイキさんは締め切り直前に急きょ追加。

しかしセリフ回し難しい。入学直後ということでゲーム時点よりも日本語怪しい感じにしてみた。

まあやっぱりこの三人は一緒じゃないとね。

 

併走断られちゃってかわいそうで、自分で描いといてちょっと心が痛む。

仲直りして三人一緒に走るシーンで締めようかとも考えたけど、スズカさんのセリフでぶつ切りの方が余韻あって良かったかなとカット。

まあ例のごとく時間無かったし……。

 

本編後、フクスズが走りに行く所にちょっと涙目で「ワタシもイッショに走りたいデース〜」と付いてくるの想像できる。いずれ描いてあげよう。

 

……フクスズとドーベル、ブライトの接点もきっとドーベル同室のタイキの紹介なんだろうなーなんて思ったり。

スズカもドーベルもブライトも社交的な方ではないし、ましてフクも自己肯定感ゼロなので自分から友だちになりに行く事は無さそうで。

 

人懐っこくて寂しがり屋でグイグイ行くタイキさんがいるからこそ、97世代の面々が繋がってるのかなあと。

 

こちらはモブの某コンビ。

余裕があればリョテイさんとか他の同期らも紛れ込ませたかった。

 

レースパート。

背景のエフェクトちょっと変えてみたお陰で前回よりもだいぶスピード感出たかな。

 

ここのスズカさんに寄ってくカットはお気に入り。

あとほんのりと前回のお姉ちゃんとのレースシーンの構図を被らせたりしてみたり。

もし良かったら前作今作比べてみてね。

 

見開きシーンは良い感じに迫力出たかなと。

……コミケ頒布の初版はちょっと枠線ズレちゃったけれど。なので第2版ではこっそり修正しちゃった 。

あとタイキさんのハウディーも修正。

「How day」じゃなくて「Howdy」なんですね。はずかしい。

 

回想にて急に出てきたスズカさんの妹分、ラスカ……ラピッドビルダーちゃん。

アニメ1期でもRTTでもスズカとの関係は触れられないけど、お話的にぴったりはまるかなと、妹という事にしちゃった。

二作品でだいぶイメチェンしてるので幼少はアニメ1期のすがた、RTTはトレセンでのすがた、ということにした。どっちもかわいいですよね。ラピッドちゃん。

 

仲良し姉妹だったフクキタルとお姉ちゃんとは逆に、走ることに夢中だったスズカはラピッドと過去にすれ違いを起こしてしまって、それがスズカのトラウマとなって彼女が走ることへ逃げて、孤立していく引き金になってしまった、という関係。

 

あれ以来スズカさん、何かと理由つけて独りで走りに行くようになっちゃって、ラピッドとは一緒に走ってくれなくなっちゃって。

お互いだんだんと会話も減って関係もぎこちなくなっていって・・・。

 

自分で描いておいてなんですが、このラピッドちゃんマジかわいそう。心が痛む。

アニメでまったくスズカさんと関わらないのは仲悪いからなんだよ!!説

 

スズカさんのこの人間関係に臆病なところが発展していって、育成シナリオ弥生賞での、「自分が他の子の夢を潰してしまう」という悩みに発展していくのかなと。

 

メインストーリーのナリブ回でもあったように、競争心が本能として強いウマ娘の姉妹ってわりと「なんで待ってくれないの」と姉妹関係にヒビが入るケースも多かったりするのかな。

・・・スズカさん、入学当初に不良と間違われるくらい人付き合い悪かったことから逆算すると、幼少期とか妹ちゃんへ全然目を向けていなさそうで。

この子が妹として存在してると、フクキタルとスズカの対比が際立つかなーと。

 

なのでスズカは姉妹関係の構築に失敗していた世界線のお姉ちゃんなイメージで描いてます。アンチお姉ちゃん。

お姉ちゃんとスズカさんが決定的に違うのもそこかな。

お姉ちゃんはフクキタルをちゃんと見ていたけれど、反対にスズカさんは向き合わないで走りに逃避しちゃった。

ラピッドも境遇はフクキタルと似ていて、優秀な姉を持つもの同士で悔しさや劣等感も持っていて。違うのは姉が向き合ってくれたかどうかで。

 

孤独が嫌で走ってきたフクキタルと、孤独を求めて走ってきたスズカ。

鏡みたいな二人が出会って少しだけ変化していくお話でした、二巻は。

 

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「俺とお前は鏡みたいなもんだ、向かい合って本当の自分に気づく。」

「似てはいるが、正反対だな」

 

描いてる間ずっと片翼の妖精の台詞が頭の中流れてました。

なのでたぶんこのお話は実質エスコンZEROです。まだつづく。